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デジタル化セカンドオピニオンとは。
加点条件と面談の流れを解説

デジタル化セカンド
オピニオンとは
澁谷 凌

この記事は、中小企業デジタル化・AI導入支援事業事務局が公開するデジタル化セカンドオピニオンマニュアル(申請者向け・通常枠)(2026年7月22日改訂版)をもとに作成しています。

1. デジタル化セカンドオピニオンとは

デジタル化セカンドオピニオンは、デジタル化・AI導入補助金2026の通常枠に用意された加点措置です。ITベンダー以外の第三者(事務局が定める「確認者」)とオンラインで面談し、デジタル化の目的や取り組みについて客観的な意見を受けた申請者に、交付申請の審査で加点が行われます。

対象は通常枠に限られます。セキュリティ対策推進枠やインボイス枠では加点されません。

確認者を務めているのは、中小企業診断士やITコーディネータです。面談時間は30分から1時間で、45分程度を見ておくとよいでしょう。

確認者は次の2つの軸で評価します。

評価軸1
取組内容の整合性・論理性
現状の課題と導入するツールがつながっているか。導入目的が明確か。将来目指す姿と申請内容が矛盾していないか。スケジュールや体制に現実性があるか。
評価軸2
経営者の理解度・意欲
経営者が自らの言葉で説明できているか。計画内容を理解しているか。現場任せ・ベンダー任せになっていないか。導入後も継続的に関与する意思があるか。
高度である必要はありません

デジタル化として先進的かどうかは見られていません。自社にとっての必要性を整理して、経営者が自分の言葉で伝えられるかどうかが評価の中心です。

面談を受ければ加点される、ではありません

ここが誤解されやすい点です。面談を実施したことに対して、一律に加点されるわけではありません。

「デジタル化セカンドオピニオンマニュアル(申請者向け・通常枠)」には、確認者が面談後に上の2つの評価軸で評価を行い、事務局はその評価結果に基づいて加点を行うと書かれています。面談の結果は確認者がシステムに登録し、事務局はその結果をもとに加点審査を実施します。そして加点の内容は、面談結果を踏まえて事務局が判断するとされています。

加点対象者の定義も「事務局が定める第三者と相談を実施し、評価を受けた者」となっています。面談を受けること自体ではなく、評価を受けることが条件です。

評価軸の理解が、準備の出発点になります

何点が付くのか、どのような段階があるのかは公開されていません。分かっているのは、上の2つの評価軸で評価されること、そしてその結果が加点の内容に反映されることです。

つまり面談の準備とは、評価軸1と評価軸2に答えられる状態をつくることに尽きます。デジタル経営ビジョンに何を書くかも、当日どう答えるかも、この2つに沿っているかで決まります。逆に言えば、この2つを理解しないまま臨むと、面談は実施できても評価につながりません。

評価軸1は計画の筋が通っているか、評価軸2は経営者が自分ごととして取り組んでいるかを見ています。この記事の第4章(デジタル経営ビジョンの書き方)は評価軸1に、第5章(面談で聞かれること)は主に評価軸2に対応しています。

この記事に出てくる言葉

公式資料や申請画面で使われている言葉です。途中で分からなくなったら、ここに戻ってきてください。

言葉どういう意味か
デジタル化セカンドオピニオン通常枠の申請者が第三者と面談し、評価を受けると加点される仕組みです
確認者面談を担当する第三者です。中小企業診断士やITコーディネータが務めます
デジタル経営ビジョン面談の前に申請者が入力する事前質問です。全7問あります
申請者補助金を申請する中小企業・小規模事業者です。読者から見るとお客様にあたります
交付申請補助金を出してくださいと申請することです
加点交付申請の審査で点が加わることです。加点するかどうかを決めるのは事務局です
申請マイページ申請者が申請の手続きをする画面です

2. 加点を受けられる条件

デジタル化セカンドオピニオンマニュアルには、加点条件が次のように定められています。

  • 通常枠の申請者であること
  • 事務局が定める第三者である「確認者」と面談を実施すること
  • 経営者(代表取締役、個人事業主の場合は本人)が対応すること
  • 面談中はカメラを有効にしていること
  • 面談の録画について承諾していること

面談にIT導入支援事業者やITベンダーが同席することは認められていません。一方で、デジタル化の責任者など社内の関係者が同席することは可能です。

また、事務局が定めるシステムの外で確認者と面談した場合は、加点対象になりません。加点を希望する場合、申請する募集回の申請締め切りまでに面談を実施している必要があります。

3. 面談までの流れ

  1. 制度の趣旨を理解する
  2. 申請マイページにログインし、手続きを開始する
  3. デジタル経営ビジョンを作成する
  4. 確認者を検索する
  5. 予約フォームを入力し、送信する
  6. 確認者が確認者ポータルで面談可能な日程を登録する
  7. 予約が確定し、申請者と確認者それぞれに日程確定メールが届く
  8. Zoomでオンライン面談を実施する

予約フォームは、複数の確認者に対して同時に送ることができます。1人の返事を待って不成立になると次を探す時間がないため、締切が近い場合はこの点が効いてきます。

なお、予約フォームの送信時、面談希望日時とチェックボックス以外は前回の入力内容が自動で反映されます。ただし別の確認者に申し込む際は入力し直しになる場面があるため、書いた内容は手元に控えておくことをおすすめします。

4. デジタル経営ビジョンとは。全7問と書き方

デジタル経営ビジョンは、予約フォームで入力する事前質問です。加点を受ける申請者が記入する、簡易的な事業計画にあたります。

この内容に沿って面談が進みます。つまり、ここに書いたことは口頭でも説明できる状態にしておく必要があります。書きっぱなしにすると、面談で食い違いが出ます。

AIで文章を作るなら、答えられる内容にしてください

生成AIを使えば、この7問の文章はすぐに用意できます。文章を整えるためにAIを使うこと自体が問題になるわけではありません。

ただし、面談はここに書いた内容に沿って進みます。確認者は事前入力を手元に置き、その記述を掘り下げる質問をしてきます。書いた覚えのない言葉が並んでいると、そこで答えに詰まります。

評価軸2は「経営者が自らの言葉で説明できているか」「現場任せ・ベンダー任せになっていないか」を見ています。整った文章が並んでいるのに、その中身を経営者が説明できない状態は、この評価軸でもっとも避けたい形です。

提出する前に、書いた一文ずつについて「これを聞かれたら何と答えるか」を確認してください。答えられない一文があるなら、答えられる内容に書き直したほうが安全です。

① 現状把握主要業務のデジタル化・AI活用の状況を5つ以上。使っている生成AIツールがあれば記載
② 将来目指す姿会社全体の方向性と、そのためにデジタル化をどう進めるか
③ 本申請の目的実現したい目的と、このITツールを選んだ理由
④ スケジュール導入前・導入後・1年後にどう活用するか
⑤ 体制整備経営者とデジタル化責任者の氏名と役割
⑥ 経営者の関わりプルダウンで選択
⑦ その他特記事項。なければ空欄で構わない

⑦その他だけが任意で、①から⑥は入力が求められます。

①現状把握の書き方

主要な業務ごとに、いま何を使っているかを並べます。5つ以上が必須です。

記入例

顧客管理:Excel
見積・請求:手書きと表計算ソフトの併用
在庫管理:紙の台帳
社員教育:OJT中心(デジタル化できていない)
勤怠管理:紙のタイムカード
受発注:電話・FAX
○生成AI 未使用

できていない業務も、そのまま正直に書いてください。できていないことは減点になりません。現状を経営者が把握していること自体が評価されます。

②将来目指す姿の書き方

会社の方向性を先に書き、そのためになぜデジタル化が必要かを続けます。順番が逆になると、ツールありきの話に見えてしまいます。

3年後の目標(売上、体制、事業の形)を書き、そこに至るうえで何が足りていないか、その解決として今回の導入がどこに位置するかを示します。今回の導入が「最初の一歩」であることを書いておくと、単発で終わらない姿勢が伝わります。

記入例

当社は○○県で△△業を営み、現在の社員数は○名、年商は約○○百万円である。3年後に年商○○百万円を目指しているが、受注を増やすには一人あたりの処理量を上げる必要がある。
現在は受注から請求までを担当者ごとの表計算ソフトと紙で管理しており、状況を把握できるのが担当者だけになっている。まずこの基幹となる業務をデジタル化して、誰が見ても状況が分かる状態を作る。その後、顧客管理や現場管理にも段階的に広げていく方針である。

ポイント:「売上を伸ばしたい」だけで止めず、そのために何が足りないのかを書きます。今回のツールがその不足を埋めるものだと示すと、話が一本につながります。

③本申請の目的の書き方

課題と、そのツールを選んだ理由を書きます。「業務が属人化している」「担当者しか分からない状態になっている」といった具体的な状態を示したうえで、そのツールでどう変わるかを続けます。

記入例

■本申請の目的
受注情報を担当者ごとの表計算ソフトで管理しているため、担当者が不在のときに進捗が分からず、問い合わせへの回答が翌日以降になることがある。転記の手間も発生しており、月に約○時間を費やしている。
今回導入する○○(ツール名)で受注から請求までを一元管理し、社内の誰でも同じ画面で状況を確認できるようにする。転記をなくすことで入力の誤りを減らし、空いた時間を顧客対応に充てる。

■このITツールを選んだ理由
複数の製品を比較したうえで、当社の業務の流れに近い管理項目が標準で用意されていること、既に使用している会計ソフトとデータを連携できることから選定した。導入後の操作説明と保守サポートが受けられる点も判断材料とした。

ポイント:困っている状態を先に書きます。「効率化したい」だけでは、なぜそのツールなのかが伝わりません。数字を1つでも入れると具体性が出ます。

④スケジュールの書き方

導入前・導入後・1年後の3つに分けて書きます。ここで効くのが、「使われなくなるリスクにどう対応するか」まで書いておくことです。

記入例

■ITツールの導入前
全社員に導入の目的と進め方を説明し、了解を得る。現在の業務の流れを書き出し、どの作業をツールに置き換えるかを責任者と決める。既存データの移行範囲と担当を決める。

■ITツールの導入後
全社員のアカウントを作成し、操作説明会を実施する。最初の1か月は責任者が週1回、入力状況を確認して未入力の担当者に声をかける。運用のルールを1枚にまとめ、全員が見られる場所に置く。

■1年後の目標
受注から請求までの情報がすべてツール上にある状態にする。転記作業を月○時間から○時間に削減し、問い合わせへの回答を当日中に行える体制にする。削減できた時間を顧客訪問に充てる。

ポイント:使い始めたあとに放置されない設計を書きます。「誰が」「どのくらいの頻度で」確認するかまで書いてあると、実行できる計画に見えます。

⑤体制整備の書き方

経営者とデジタル化責任者の氏名、そしてそれぞれの役割を書きます。経営者と責任者が同じ人でも構いません。小規模な会社であれば「私が両方を担い、実務の補助は担当者が行う」といった書き方で問題ありません。

記入例

経営者(代表取締役):○○ ○○
デジタル化の目的を全社員に示し、月次で利用状況と成果を確認する。費用が発生する判断と、運用ルールの最終決定を行う。

デジタル化の責任者:○○ ○○(役職)
運用ルールの作成と、日々の入力状況の確認を担当する。導入企業との窓口となり、社員からの操作の質問に対応する。月次で経営者に状況を報告する。

ポイント:役割を「推進する」「管理する」で終わらせず、何をどの頻度で行うかを書きます。1人で兼ねる場合は、その旨と補助する人を書けば足ります。

⑥経営者の関わり

ここだけは記述ではなく、プルダウンからの選択です。選択肢は「指定なし」を含めて5つあります。

指定なし初期状態
知らない経営者は本申請、ITツールを導入することを全く知らない。または、デジタル化について担当以下に完全に一任しており、経営者は内容を知らない。
説明予定経営者に説明予定だが、まだ了解は得られていない。
了解済み・現場に一任経営者には既に説明し、了解を得られているが、具体的な内容は完全に現場に任せている。
積極的に関与経営者が積極的にデジタル化に関わり、経営戦略としてデジタル化を推進している。

並べてみると分かるとおり、上から下へ経営者の関与が深くなる順に並んでいます。評価軸2は「現場任せ・ベンダー任せになっていないか」を見ているため、下に行くほど評価軸2に沿った状態ということになります。

選ぶだけでは足りません。面談で「具体的にどう関わるか」を話せることが前提です。

面談でこう答えられる状態にしておく

「月に1回、責任者から利用状況とデータの入力率について報告を受けます。半年ごとに、転記作業の時間がどれだけ減ったかを確認し、次に進めるデジタル化の範囲を検討します。運用ルールの変更や追加の費用が必要な場面では、私が判断します。」

⑦その他

特記事項がなければ空欄で構いません。過去に補助金で導入した実績がある場合は、その活用状況を書いておくと、継続的な取り組みとして伝わります。

記入例(書く場合)

過去にIT導入補助金で○○(ツール名)を導入し、現在も全社で使用している。○○の業務にかかる時間が月○時間削減できた。今回はその次の段階として、○○の業務のデジタル化に取り組む。

過去に補助金を使っている場合、そのツールの活用状況を聞かれることがあります。書いておくと、面談でも説明しやすくなります。

5. 実際の面談で聞かれること

ここからはデジタル化セカンドオピニオンマニュアルに書かれていない、実際の面談で確認された内容です。当社が支援した申請者への面談後のヒアリングをもとに、実際に投げかけられた質問の形で掲載します。

面談はデジタル経営ビジョンの①〜⑦に沿って進みます。以下は、その各項目を掘り下げるかたちで出てくる質問です。

効果と数字について

実際の質問

「今回の導入によって、どの業務がどのように変わりますか?」
「導入効果を測るKPIは、どのように設定していますか?」
「その数字は、いつの時点で確認する予定ですか?」

大きな数字を求められているわけではありません。自社で数えられる数字を1つから3つ用意しておけば足ります。作業時間の削減、対応件数、担当者が独り立ちするまでの期間など、社内で把握できるもので構いません。

費用について

実際の質問

「今回の導入費用はいくらでしょうか?」
「その費用は、得られる効果に見合うとお考えですか?」
「補助金がなかった場合でも導入されましたか?」

ここで金額を答えられないと、経営者が内容を把握していないと受け取られます。自社の申請金額は手元に控えて面談に臨んでください。比較材料として、外部に委託した場合の費用や、現在かかっている人件費を用意しておくと答えやすくなります。

定着について

実際の質問

「導入したツールが使われなくなる可能性については、どうお考えですか?」
「操作に慣れない社員がいた場合、どのように対応されますか?」
「導入前にどのような準備をされますか?」

定着の設計を見ています。「利用時間を業務時間内にルールとして確保する」「責任者が毎月進捗を確認し、遅れている人に個別に声をかける」といった具体的な運用を答えられるようにしておきます。

経営者の関わり方について

実際の質問

「導入後、どのタイミングで進捗や成果を確認されますか?」
「経営者、責任者、実際に使う担当者の役割はどう分かれていますか?」
「運用で判断に迷う場面が出たとき、誰が決めますか?」

現場任せになっていないかの確認です。頻度とやり方を具体的に答えられるかどうかが分かれ目になります。「月に1回、責任者から報告を受ける」「半年ごとに効果を確認する」といった形です。

申請内容との整合について

実際の質問

「こちらのツールも導入されるということで、よろしいでしょうか?」
「今回導入されるものは、どういったものだとご理解されていますか?」

事前入力に書いていないツールについて確認された例があります。事前入力と口頭説明の食い違いは見つかります。申請するツールはすべて事前入力に書いておいてください。

2つ目は、導入するものの性質を経営者が理解しているかを見る質問です。ソフトウェアなのかサービスなのかが曖昧なまま答えると、話が噛み合わなくなります。

生成AIについて

実際の質問

「ChatGPTなどの生成AIは、業務で使われていますか?」
「今後のAI活用について、どのようにお考えですか?」

使っていなくても減点ではありません。組織としてAIを活用する姿勢は「あれば望ましい」観点とされています。使っていないなら「今回の導入で社員のITへの抵抗感をなくし、その先でAI活用に取り組みたい」といった形で構いません。事実と異なることを言う必要はありません。

最後に聞かれること

実際の質問

「最後に、何か補足しておきたいことはありますか?」

無理に話す必要はありません。一言添えるなら、今回の取り組みを続けていく意思を伝える程度で十分です。

台本を読み上げないでください

確認者は「ベンダーの説明の受け売りではないか」を確かめる質問をしてきます。用意した文章を暗記して読み上げると、かえって評価が下がります。準備した内容を、経営者自身の言葉に置き換えて話せる状態にしておくことが大切です。

評価結果や加点の有無は通知されませんが、面談の場で確認者から口頭で感想をもらえることがあります。ただしこれは採択を保証するものではありません。

6. 2026年7月22日の改訂。キャンセルが原則不可に

2026年7月22日、デジタル化セカンドオピニオンマニュアルが改訂されました。実務に影響する変更が2点あります。

面談日程が確定したあとのキャンセルは、原則できなくなりました。やむを得ずキャンセルが必要になった場合は、日程調整結果のメールに記載された連絡先から、事務局に連絡する形になります。

面談開始時刻までに入室しないと、キャンセルとして扱われることがあります。面談開始後、一定時間入室が確認できない場合が対象です。

改訂前は、予約が確定すると申請者と確認者に確定メールが同時に送られ、そこで互いのメールアドレスが共有されていました。キャンセルの打診は確認者に直接メールで連絡する、と書かれていました。当事者どうしで日程を動かす余地があったということです。

改訂後は、確定メールは「それぞれに」送られると書き換えられ、メールアドレスが共有されるという記述は削除されています。連絡先は事務局に一本化されました。

日程を押さえたあとに社長の予定が入り、確認者に直接お願いして動かしてもらう。この逃げ道がなくなった、というのが今回の改訂の要点です。

あわせて、問い合わせ窓口の名称が「コールセンター」から「事務局」に変更されています。

7. 加点を落とす4つのパターン

デジタル化セカンドオピニオンマニュアルには、面談がキャンセル扱いとなり加点対象にならないケースが挙げられています。

  • 経営者本人が面談に出席できない
    代表取締役、個人事業主の場合は本人です。担当者による代理出席は認められません。
  • 面談開始時刻までに入室しない
    開始後も一定時間入室が確認できない場合、キャンセルとして扱われることがあります。
  • 面談中にカメラを有効にしていない
    確認者・申請者の双方がカメラをオンにする必要があります。
  • 面談の録画に承諾しない
    面談は不正防止などの観点からZoomで録画されます。

いずれも当日の出来事ですが、防ぐ手立てはすべて予約より前の段階にあります。

8. 販売する側が、予約の前にやっておくこと

第2章に書いたとおり、面談にIT導入支援事業者・ITベンダーは同席できません。当日にトラブルが起きても現場では助けられないため、対策は予約フォームを送る前に済ませておく必要があります。

社長の予定を先に確定させてから、予約フォームを送る

確定後は動かせないため、「とりあえず候補日を出しておく」という進め方が通用しなくなりました。

申請金額を経営者に伝えておく

面談で問われる項目です。見積の金額を把握しないまま面談に入ると、そこで評価を落とします。

何を導入するのかを、経営者の言葉で言える状態にしておく

自社が導入するのはソフトウェアなのか、サービスなのか。ここが曖昧なまま面談に臨むと、話が噛み合わなくなります。ツールの機能を一通り説明しておくのではなく、「うちはこれをこう使う」と一文で言える状態を作るのがベンダーの仕事です。

事務局からのメールを受け取れる状態にしてもらう

デジタル化セカンドオピニオンマニュアルでは、次の3つのドメインを受信できるよう設定するとされています。

  • @it-shien.smrj.go.jp
  • @shinsei.it-shien.smrj.go.jp
  • @wb-transfer.toppan-edge.co.jp

日程確定メールには面談のZoom URLが記載されています。これが迷惑メールに振り分けられると、時間になっても入室できません。入室しなければキャンセル扱いです。

Zoomが使える環境か、カメラが映るかを確認しておく

当日に「カメラが映らない」となった時点で、加点はなくなります。

同席できないことを、あらかじめ伝えておく

当日に同席を断られると、経営者だけが残される形になります。事前に伝えておけば、その前提で準備してもらえます。

締切が近いときは、複数の確認者に同時に依頼する

1人の返事を待って不成立になると、次を探す時間がありません。

9. よくある質問

IT導入支援事業者は面談に同席できますかできません。IT導入支援事業者、ITベンダー等の同席は認められていません。デジタル化の責任者など社内関係者の同席は可能です。
経営者以外が面談に対応してもよいですか大枠の説明は経営者自身が行う必要があります。確認者からの追加質問や詳細な内容の説明は、社内の担当者が行っても構いません。経営者が出席できない場合、面談はキャンセル扱いとなり加点対象になりません。
デジタル経営ビジョンは何を書けばよいですか全7問で、現状把握・将来目指す姿・本申請の目的・スケジュール・体制整備・経営者の関わり・その他で構成されます。現状把握は5つ以上の業務について記載が必要です。詳しくは本記事の4章をご覧ください。
面談ではどんなことを聞かれますか数値目標、導入費用の把握、ツールが使われなくなるリスクへの対応、経営者が進捗をどう確認するか、生成AIの活用状況などです。詳しくは本記事の5章をご覧ください。
面談を受ければ加点されますか面談の実施に対して一律に加点される仕組みではありません。確認者が「取組内容の整合性・論理性」と「経営者の理解度・意欲」の2つの評価軸で評価を行い、事務局がその評価結果に基づいて加点審査を実施します。加点の内容は面談結果を踏まえて事務局が判断します。
面談の評価結果は教えてもらえますか確認者から申請者に評価は伝えられません。加点の内容は面談結果を踏まえて事務局が判断します。採択・不採択の理由も開示されません。
日程が確定したあとにキャンセルできますか2026年7月22日の改訂により、原則できなくなりました。やむを得ない場合は、日程調整結果のメールに記載された連絡先から事務局に連絡します。
通常枠以外でも加点されますかされません。加点対象は通常枠に限られます。
いつまでに面談を受ければよいですか加点を希望する募集回の、申請締め切りまでに面談を実施している必要があります。

10. まとめ

デジタル化セカンドオピニオンは、通常枠で加点を取りにいくなら押さえておきたい措置です。ただし面談を受ければ加点される仕組みではありません。確認者が2つの評価軸で評価し、その結果に基づいて事務局が加点の内容を判断します。

準備の中心はデジタル経営ビジョンの7問です。ここに書いた内容がそのまま面談で問われるため、書きっぱなしにせず、経営者が自分の言葉で話せる状態まで持っていく必要があります。数値目標と申請金額はほぼ確実に問われるので、この2つだけでも先に押さえておいてください。

そして2026年7月22日の改訂で、日程を押さえた時点で後戻りできない仕組みになりました。面談に同席できない以上、販売する側にできるのは予約より前の準備だけです。

KIZASHIでは、申請者向けの事前質問の書き方から面談当日の準備まで、御社のお客様への案内をお手伝いしています。

デジタル化セカンドオピニオンマニュアル(申請者向け・通常枠)の改訂履歴

2026年7月22日 面談のキャンセルに関する記載が変更されました。日程確定後のキャンセルが原則不可となり、連絡先が確認者から事務局に変わりました。面談開始時刻までに入室しないとキャンセル扱いになる旨も追記されています。
2026年6月12日 デジタル化セカンドオピニオンマニュアルが策定されました。

デジタル化・AI導入補助金 資料改訂履歴をすべて見る / 現行版(公式サイト)

最終更新:2026年8月13日(2026年7月22日改訂のデジタル化セカンドオピニオンマニュアルを反映)

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